2014-01-01から1年間の記事一覧

思考実験 ―日本の漁業が壊滅するとどうなるか?

日本の漁業というのは実は危機に瀕しているのだが、その意識が広まっているとは言い難い。例えばこのニュースではホッケの不漁によって動物園がエサに困っているという「おもしろニュース」の扱いになっている。 北海道ホッケが不漁 意外な場所に影響が… | …

ナショナリズムは欲望の一種である

椎名林檎による、サッカーW杯のNHK中継のテーマソングが一部で右翼的として取りざたされているようだ。 椎名林檎のNHKサッカーテーマ曲、その“右翼ごっこ”より問題なこと たしかに最初に「にっぽん」というタイトルで「世界で一番なんとかかんとか」という歌…

セサミ・ストリートの失敗作から見る「言霊」の源流

最近マルコム・グラッドウェルという人の本を読んでいるが、ネタ取りの多彩さとそこから導かれる独創的な視点が非常に面白い。本によって内容がかぶっていない点も凄いが、この人はとにかく話が上手い。些末で具体的なポイントを抽象的で大きな結論に結びつ…

貸し剥がしウクライナ

ウクライナ問題では様々な観測が出ているが、もっとも説得力があると感じるのはニューズウィークの冷泉彰彦氏の3月6日のコラムである。 ウクライナ問題、「苦しいのは実はプーチン」ではないか? http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2014/03/post-632_1.php…

少子化問題への後ろ向き幻想

かつて世界が心配していたのは人口爆発であった。自然を征服した人類は無限に増え続ける。70年代に「日本の人口は3億で止まる」という未来予測を見たとき非常に安堵したのを覚えている。人口増加はいつかは止まるんだと。正直言って現在の少子化問題はかつて…

使えない捕鯨擁護論

捕鯨問題というのは不思議だ。単なる海産物の漁獲管理の話なのにやけにエモーショナルな議論が絡んでくる。 日本ではだいたい全員が捕鯨擁護の立場であって、それだけに欧米の反捕鯨は理解しがたく思える。この問題に関して「こちら側」に立って「あちら側」…

民主主義の手続きで民主主義を放棄することはありえるか

以前知人がFacebook上でアエラ7月22日号に掲載された対談での東浩紀の発言についてコメントしていた。発言はごくおおざっぱに言えば、民主主義なのだから国民がもし天皇親政を求めたらこれを認めなければいけない、というようなものだった。国民全体にも愚行…